落語のお話の世界というのは、なかなか興味深いものがあります。
あーこれでいいんだ。って。

落語に出てくる登場人物というのは、
我々同様、ぼんやり生きてて、生きてても死んでても、
どちらでもいいんですけど、死ぬのも面倒だから、
とりあえず、もうちょっと生きていようよ。
そういう連中の集まり。(ある落語家さんの話)


落語っていうのは他の芸能とは全く異質のものなんだ。
どんな芸能でも多くの場合は、為せば成るというのがテーマなんだな。
一生懸命努力しなさい、勉強しなさい、練習しなさい。
そうすれば、必ず最後はむくわれますよ、良い結果が出ますよとね。

落語はね、人間は寝ちゃいけない状況でも、眠きゃ寝る。
酒を飲んじゃいけないとわかっていても、つい飲んじゃう。

夏休みの宿題は、計画的にやった方があとで楽だとわかっていても、
そうはいかない。八月末になって家族中が慌てだす。

それを認めてやるのが落語だ。
「落語とは人間の業の肯定である」(立川談志の言葉
赤めだかより)