毎年クリスマスイブになると、過去のクリスマスイブに何があったのかをよく思い出す。

子どもの頃は、もちろんサンタさんが来ていて、毎年希望したプレゼントをもらっていた。
朝起きると、きれいにラッピングされたプレゼントが必ず枕元に置いてあった。
ところがあるクリスマスイブの日、いつもだったら枕元に置いてあるはずのプレゼントが玄関先に置いてあったことがあった。
その年から玄関先に置き場所が変わった。
子どもながらに違和感があった。
何で枕元にまで置いてくれなくなったんだろう。と。

大人になって好きな女性ができて、片想いだったけど、クリスマスイブにその人と話したいと思ったことがあった。
当時流行ってたSkypeで、その人がオンラインになっていた。
ぼくは思いきって通話ボタンを押した。

何回かコールしたが、彼女は出なかった。

しかし数分後に、なんと彼女から着信があった。
ぼくは驚きながらもドキドキしながら通話ボタンを押した。
ガヤガヤした音は聞こえるものの、何の応答もなかった。
そのガヤガヤは、クリスマスパーティー的な音だった。
ぼくは、そのまま切った。
後日、聞いてみると単なる間違いだったようだ。

その後、彼女は結婚した。

さらにぼくは、歳を重ねた。
いつしかDMM.com(今はfanzaと言うのか)でイブの日にアダルト動画を一本購入するようになっていた。
一人っきりの性なる夜である。
好きなAV女優が、ぼくを慰めてくれた。

そして今になり、アダルト動画を購入することもなくなったし、
クリスマスイブに対して大して特別な何かを思うこともなくなった。

骨付きの唐揚げチキンと小さなロールケーキを食べ、
この時期にしか聴かないクリスマスソングをSpotifyで聴くのがささやかな幸せである。