買ってきたばかりの雑誌をめくっていたら、親指の腹が切れた。
赤い線が入り、少し神経質な僕はばんそうこうを探し始めた。
そんな僕を見て、彼女は「そんなの舐めとけばいいのよ」と言って、僕の親指を根元まで咥えた。
軽く甘噛みをすると、傷口をぺろっと舐めた。
彼女の奇妙な愛情に少しばかりの感謝をしたものの、彼女の唾液まみれになっている自分の親指を見ると、とてつもない不快感が襲ってきた。
雑誌には、僕がフォトコンクールに応募した彼女を被写体とした写真が掲載されていた。ちょっとした廃墟で撮った薄暗くもあり、脱いではいないのにエロスを感じさせる写真だ。